共倒れ介護を防ぐ「無理をしない介護」「頑張らない介護」
実際に家族の介護を行っていると、先が見えない現状に不安や不満が生まれてしまうこともあります。子供の育児とは違って、数年、数十年、続く事もあれば、数ヶ月で終わってしまうこともあるのが介護です。
また介護を行うにあたって、精神力や体力はもちろん時間もお金も必要になります。これまでの生活から一転して、介護中心の生活の日々が続くと、自分の大切な時間(人生)が介護によって奪われているような気持ちにもなることでしょう。
その結果、介護を必要としている家族を恨んでしまい、身体的虐待や介護放棄(ネグレクト)、最悪の場合では殺害してしまうという事例も少なくありません。逆に介護に対する憤りを制御できず、介護者自ら命を絶ってしまう事も実際に起きています。
育児の経験がある方には多少なりとも理解できるかもしれませんが、家族の介護をやっていると本当の自分がだんだん分からなくなってきます。でもこれらは決して他人事ではありません。介護に直面した人であれば誰にでも起こりうることなのです。
共倒れ介護にならない為に
介護者の不安や不満といった気持の変化によって、体調を崩しやすくなったり、介護鬱(うつ)を発症したりして、介護が正常に行われない状態を「共倒れ介護」と言われています。介護をする人が自らのことで一杯一杯になり、介護を必要とする家族の生活介助が出来なくなる。それが負の連鎖となり、結果的に介護者と介護を必要とする家族共々、どうにもできな状態に陥ってしまう状態です。
こうした共倒れ介護を防ぐためにも、介護で1番大切なことは「無理をしない」「頑張らない」ということです。無理をしない、頑張らないということは「介護をしない」ということではなく、すべてを自分ひとりで抱え込まず、行政機関や介護サービスを積極的に利用して、自分が背負う負担を減らすということです。
サービスを利用すると介護にかかる費用は高くなってしまいますが、介護を必要とする家族のため、そしてこれからの人生を生きる自分のために、無理をしない介護、頑張らない介護を心がけましょう。
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